プラスチック燃料を用いた人工衛星用推進系を開発するLetara株式会社(本社:北海道札幌市)は、経済産業省のGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)に採択されました。
本事業を通じて亜酸化窒素を酸化剤とした小型人工衛星向けの高推力・安全・安価なハイブリッド化学推進系の開発を加速させ、東京都立大学、JAXA、東京大学と共同して宇宙実証試験を行います。
本事業の目的
Letara株式会社は、「Beyond the Earth, Faster and Further」をミッションに2020年6月に設立された北海道大学発スタートアップ企業です。
人工衛星の打上げ数は直近10年間で20倍以上増え、年間2000機ほどが打上げられています。今後10年以内にその数はさらに増え、年間5000機近くが打ち上げられる見通しとなっています。
このように人工衛星の打ち上げ数は増加しているにもかかわらず、小型人工衛星に適した安全・安価な推進系がないという課題を解決すべく、当社はプラスチックを燃料に用いた高推力・安全・安価な推進系を開発しています。
今回、採択されたGo-Tech事業をとおして、2025年中に東京都立大学、JAXA、および東京大学と共同して宇宙実証試験を行い、高推力・安全・安価な推進系の開発を実現し、社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
本事業の協力者様からのコメント
【所属】東京都立大学
【肩書】准教授・GEO-XミッションPI【お名前】江副 祐一郎様
【コメント】 GEO-Xのような地球から離れた科学ミッションを実現する大きなハードルのひとつは、必要な軌道への打ち上げ費用が高いことです。Letara社のエンジンは、我々のようなミッションが軌道に到達するために、相対的に低コストのライドシェア打上げを利用することを可能にするものとして期待しています。ぜひLetaraのライドシェアに適した衛星用のエンジンを利用したミッションを推し進めたいと考えています。
【所属】JAXA宇宙科学研究所
【肩書】学際科学研究系 教授【お名前】船瀬 龍様
【コメント】私たちJAXA/ISASの役割は、将来の宇宙科学ミッション、特に太陽系の未開拓地への科学ミッションを可能にすることです。高推力の衛星推進技術は、地球周回軌道を脱出するときの移動時間とコストを削減する重要な技術として注目されています。他の衛星システムと互換性のあるこのような推進系の開発を促進することが宇宙探査の発展に寄与すると考えています。
【所属】公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター
【肩書】部長・Go-Tech事業管理者【お名前】伊藤 征也様
【コメント】Letara株式会社は、北海道大学発の宇宙推進技術を、道内官民と密接に連携しながら事業化しています。Letara社は、北海道大学発のベンチャー企業や道内の宇宙関連企業のモデルケースになると考え、事業管理機関を務めることにしました。宇宙実証の実現に向けて、事業を推進して参ります。
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